#05&06「愚か者たちのサウダージ PARTE1&2」
6話は予想外にコミカルでしたが、重い内容が多いだけにあれは見ていて少し助かったかも。それにしても、このアニメは表情が実に多くのことを語っていて…見ている側に、その人なりの色んな事を凄くよく感じさせてくれるアニメだなぁと、ここにきて改めて思いました。
自分の場合、今回は…まぁ至極当然の事なんですが
やっぱり人間は単純に善と悪で括れるものではなく、一人一人矛盾を抱えながら微妙な均衡を保ちつつ生きてるよなぁ…という点を改めて感じたかな…。
もちろん1,2話で登場した神父のように偽善で塗り固められ、腐りきってしまってる人間もいますけどね…。
- まずはあらすじ:ミチコとハッチンはヒロシの行方を知る人物サトシの居場所を探るため故郷の町へと戻って来る。しかしサトシは「モンストロ・プレット」という組織のリーダーで、ファンタズマとの抗争の結果、現在この町にいるのはモンストロの傘下に入ったファンタズマだけ。
そして、ミチコはそのファンタズマに命を狙われていた。ハッチンに危険が及ぶ事を心配したミチコは自分が育った孤児院にハッチンを預けようとするが…ハッチンは孤児院の女性に受け入れてもらえず、おまけに「ファンタズマ」に攫われる。
ミチコはハッチンを救出する為に闘牛場に向かい、猛牛ロマーン4世と対峙する。
冒頭で書いた点は今回登場した登場人物の中の多くに見られたんですが、書ききれませんので簡単に何人かだけ……。
■まずは、ミチコが育った孤児院の経営者の女性ゼリア
孤児院の子供を売り払い自分の為に金を貯め…日々酒場で苦い酒を味わいながら「子供は嫌いだ、煩くて汚くて生意気で嫌いさ」と吐き出す。
ハッチンの事も「金も無いのに置いてくれなんて、世の中そんな甘かない…出直せ」と容赦なく放り出す。
そしてミチコと同様口よりも手が先に出る。
こうした描写は、間違いなくこの女性の真実の一面…苦汁をなめた人生を送り行き着いた…紛れも無いキレイとはいい難いこの女性の生き方だろうと思います。
一方で、そんな生き方をしつつも、子供の行き先を全く気にかけていない訳ではない…。
かつて面倒を見たマルコの活躍を秘かに喜んだり、ミチコの言葉にかつての自分を思い出したりする心も残っている…。
そして、ミチコが自分の言葉を覚え信用していた事に心を動かされ、脱走した子供を捜すでもなく酒を呑んでいたのに…久々に、その子にかつてミチコに語ったのと同様の言葉を口にしてみたりする。
けれど、きっと…この人の人生が劇的に善行で満ち溢れた生活に変る訳では無いだろう…これからも、今までどおり自分の為に金は溜め込み続け…時折、善い事もし…そしておそらく寂しい老後を迎えるだろうな…。
実に人間臭くて、現実的な描写…。
まぁ最初にも書いたとおりこの女性に、何を感じるかは正に人それぞれだと思う……。
■作中で「ロン毛のデブ」と言われてた醜さを前面に出したようなキャラ
最後もミチコに無様に負けるパシリーですが…
実は彼も醜く変化した外見、上部組織の男には媚びへつらいながら陰で罵ったり…ハッチンが上部組織のリーダーサトシのかつてのダチの娘らしい事を聞いて即座に、それを利用しようとする狡猾さ厭らしさも見せつつも…それだけが全てではない。
かつて可愛がってもらった兄貴分キリル・チャペックが、ミチコに殺されたと思い込み…
兄貴分のあだ討ちを一途に願っていて、「仲間は大切だと思うんだ」と語るなど、純な一面も持ち合せている。
この男も、そういう意味で簡単に悪とは括りきれない人間臭い矛盾を抱えている…。
■ミチコは相変わらず衝動的に暴力をふるったり口汚く人を罵る一面を見せるものの…
今回はミチコの非常に人間的に不器用ながらも純粋な心情が深く描かれていました…。 自分自身が後先を深く考えずに起こした行動が、結果的に引き金となり(実際はそれを利用した人物が居るわけですが)起こった抗争で多くの人が死んだ事実を…「それがどうした」と言いながらも整理しききれない様子や…
一途に惚れた男を思い続ける姿…
母親として心底ハッチンを大事に思いながらも、言葉では中々それを言い表せないもどかしさ…そして、身体を張って守り通そうとする姿…。
オカマの友達への不器用な感謝…。
最後には愛おしそうにハッチンを抱きしめる姿…などなど…確かに魅力的な部分がないわけではない。
でも来週の予告を見ると、又株を下げそうな行動をしそうで…とことん、人間臭い彼女を描ききろうという事でしょうね。
■そしてハッチン…
この子の場合は矛盾を抱えつつ葛藤してると言うのではなく、子供らしく素直になれない自分との葛藤のような感じですけど…表情は変化に富んでいて見ていて色んな内面を推し量れて楽しかったです。
例えば、最初の方で見せた少しづつ確実にミチコに気を許してる証拠に元気のないミチコに「見えてるんですか…それ…」と、ちょっとふざけてみせるハッチン。
初めて父親の写真を眼にし、複雑な表情を見せるその顔…。
本当に置き去りにされようとしてるわけではなく、自分を心配しての事だと知りながらも、その気遣いすら苛立たしく…何とも言えない感情をあらわにミチコを殴りつけ、ミチコを傷つける言葉を吐き、さらには自分達を放っているようにしか思えない父親への怒りをも爆発させるハッチン。
でも、やっぱり自分もミチコの身が心配で…しかも、別れの際にミチコが実は心の中で涙ぐみ寂しさを抱えていると感じて一刻も早くミチコに会って無事を確かめたいのに…「とりあえず殴ってやる」と素直になれない様子や…
最後に全てをさらけ出して泣きじゃくりながら抱きつくシーンなど…
本当に挙げていけばキリが無い程、細かく描かれていて、私が子供のキャラに魅力を感じる事は殆ど無いんですが…この子にはある種の魅力を感じ始めてるかも。
最後はおまけ的に…ヒロシ…。
まだ、ヒロシについて書くには情報不足ではあるんですが…。
今回、明らかになったのは…
「俺一人が死んで皆が助かるなら…一人で行くしかない」などと自己犠牲的な格好のいい事を口ではいいながら…
スッキリしない表情ですぐに動けない…優柔不断さ、さらにはミチコも言っていた臆病さが垣間見えているという…これまた、非常に人間クサイ駄目男臭が(苦笑)
5話の冒頭のシーンから分かるように、結局乗り込んだのはヒロシでも…二人で乗り込んだわけでもなくミチコが一人で乗り込んだわけですしね(苦笑)
こんな感じで、容赦なく人間臭い…醜さ、狡さなどを描きながら…なお且つ、人間も実は「捨てたもんじゃないよ」的な部分も描き続けるこのアニメ…今後どうなっていくのか興味があります…。
それに、ヒロシには本当に会えるんでしょうか。
個人的には、結局二人はヒロシには会えずに終わる…というのも有りではないかという気がしてきました。
…というか、そういう展開を望みたい気になってきたかも…。
又、次回です。
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