魍魎の匣 第13話 最終回「魍魎の匣、あるいは人の事」
(最終回)13話「魍魎の匣、あるいは人の事」
「幸せになる事は簡単なんだ…人をやめてしまえばいいのさ」
遂に最終回です。ここまで、このブログでは基本的にひたすら先を予想する事を楽しんできた感がありましたが…もぅそんな事はどうでもよくなった最終回でした(笑)
ある意味、魍魎に憑かれそうです(苦笑)
関口さんほどではないですが^^;
えーと、最初に断っておきます無駄に長いです…すみません。
今週は人物ごとに感想を書いていくことにします。
■雨宮
陽子に付き添って14年も一緒に暮らしてきた雨宮だが…京極堂の言葉によれば
「望み通りの人生を送っていた」
なぜなら雨宮は陽子ではなく加菜子を愛していたから。
赤ちゃんの頃から加菜子の成長を見守り傍でずっと加菜子といられる、ただそれだけで幸せだったんだろうか…
ずっと抱いていたこの愛はどう理解すればいいんだろう…。
なんだか、この時点で既に、個人的には理解しがたいような…。
ところが、武蔵小金井駅での事件が起きてしまった。
当初雨宮は加菜子があんな状態のまま生かされているとは知らなかったために、回復して元の日常に戻り3人で過ごす事ばかりを話していた、おそらく普通に考えてこの時点でもちょっとしたことでバランスを崩しかねない心理状態ですよね。
ところが実際は、加菜子はあんな状態で生かされており、しかも須崎の計画が持ち上がって、須崎の独自の生命維持法で腕を一本だけ生かし、それを遺産を受け取るための脅迫に使うという話が持ち上がってしまった。
この時の雨宮の心理状態は、さすがに推し量れる気がする…。
当然反対するものの…美馬坂や陽子までそれを容認してた状況ではどうにもならず…。
結局、脅迫に使う以外の手足を貰う事にした…。
うへ…これは完全に理解できたら怖いな…。
ただ…2話の時点で私自身「両足が匣に詰められて「湖」で発見された…。 うーーーん。加奈子達がやけに、湖に行きたがったのと関係があるんですかね…。 まさか、行きたかった場所へ足だけを運んだ…とか…」
と、予想してたんですが…
生前行きたがってた場所に「運んであげたい」という気持ちならば理解は出来る気がする…。
あぁーーーなんだか、また感情移入する必要がない所にまで感情移入しようとしながら見てしまってる自分がいるぞ(汗)
でも、事実この時点での雨宮は、まだそれ(手足)が単に欲しいと言うのではなく、それを水葬にしようと相模湖まで運んだようですね。
で、途中で一本落としたのが例の峠の一本だった訳だ…。
だが死んでしまった手足はそんなふうにしたものの…
生かされている状態の左腕には異常な関心というか執着を示すようになっていく…。
そしてあの8/31に木場たちを案内した後、保管された延命装置がある火葬場(木場が邪魔して寝てた場所)に行き…
「物言わぬ禁断の密会を楽しんでいた」
だが…それ以上のインパクトのあるもの…須崎が持ち出した匣入りの加菜子の頭部を見てしまい…須崎を殴り殺して頭部を奪い取り出奔した。
そして夜行列車で、出会った久保にまさに、匣入りの生きている加菜子の頭部を自慢げに見せたわけだ。
………幸せそうな雨宮の笑顔が幾らなんでもおぞましすぎる。
そして…
最後で登場した男の話によれば…
今も匣の中の加菜子は黒く干物のようになってるにも拘らず…狂気の世界に身を浸し、向こう側の世界に行ったままひた走る雨宮はどうやら登場人物の中である意味最も幸せ…な状態にいるようです。。。。
勝手に1人で雨宮が幸せを感じるのはいいですが……既に死んで随分たち干物のようになってしまったら、それはもぅ物かもしれないですが…でも、埋葬されずその中に頭部がと、思うとやっぱり何ともいえない憂鬱な気分にさせられるなぁ…。
■加菜子
一日はあの状態で加菜子は生きていたみたいに今回言ってましたよね…。
………自分は加菜子に感情移入する機会がここまでなかったんですけど、あまりに加菜子が哀れな人生だよなぁ…。
子供時代の光景を見る限り…陽子からも愛情は得てはいたんだろうけど…形は姉と信じ込まされた上での愛だし。
母親といわれてた人(絹子)は、実は自分の旦那(美馬坂)を寝取った実の娘(陽子)から生まれた子である加菜子が憎くて仕方なかったから…病院に見舞いに行った時に首を絞め殺意を向けられたりしてたわけだよね…。
おまけに、世話をしてくれた雨宮から愛情を得て育っていたために…雨宮のことは変な意味じゃなく好きだっただろうけど…。
その雨宮が狂気に走った状態で…一日、あの匣の中で生きてたら…間違いなく加菜子も狂気の世界に入り込んでるよね…(汗)
事実、久保と遭遇した時の加菜子の「ほぅ」
は完全に向こう側に行ってるがゆえに…久保をもそちら側に惹き込むだけの破壊力のある笑顔というか存在感になったんだろうしね…。
もし、加菜子が正気を保ってて悲しそうな顔や、泣き言を訴えてたら久保は…羨ましくはならなかったかもしれない……。
まぁ…狂気の世界に行ってしまってた加菜子はこの時点では、色んなものから解放されてある意味やはり幸せにはなれていたのかもしれない…。
正気ならもっと哀れですもんね…。
はぁ、だとしても…何ともいえない哀れな子には違いない……。
■久保
というわけで、今回のような事件を引き起こす殺人鬼に久保を変えた原因は…予想通り現実に列車の中で、雨宮から匣入りの生きている加菜子の頭部を見せられ…。
「羨ましくなった」
からでした。
ただ京極堂が言う久保も被害者との言葉や、あの時(匣の中の娘に出会わなければ)「気鋭の幻想作家として全うな人生を送ったかもしれない」との発言には正直、賛同しかねる部分があります…。
あのこの世のもではないかのような光景を見て久保は、今回のような事件を引き起こす殺人鬼に変わってしまう引き金になり、結果として魍魎に憑かれ狂気に走ったのは確かですが…同時に、間違いなく自己の欲求に従い連続して少女達をバラバラにし続けた張本人ですからね…。
それに、誰にでも一線を越えてしまう通りモノにあたる瞬間が訪れる可能性はあると確かに思いますが…それを、誰かの責任にすべきではない。
間違いなく、自分で一線を越え、自己の欲求に身を任せるがままにしたのは久保自身なんだから…。
魍魎、狂気、悪魔の声が聴こえた…色々言い方は変えれるでしょうが…最終的に一線を越えて自分で決めて殺したなら、その責任は間違いなく負うべきで被害者でもなんでもない。
…と思います。
さて、でも「何度やってもうまくいかず」生きたまま少女を匣詰めにする事が出来なかった久保は、榎木津が渡した写真により…匣の中の娘が加菜子という名前である事を知り、その直後頼子から美馬坂と、研究所のことを聞き出してやって来た。
■美馬坂幸四郎
美馬坂は久保の希望に従って生体実験を行い、その頭部を匣に入れた。。。
これはまぁ久保が自分で希望したのも含めて予想通りでしたね。
京極堂は美馬坂に多くの人の心に魍魎を植えつけてしまったというが…
「勝手に関わってきただけだ」
「医療行為だ」
と自分の責任は認めようとしない…。
しかし、そもそもこの研究に固執した根本原因は…絹子の病気を治すためというよりは…病気で醜くなっていく絹子を厭う気持ちをごまかそうとしていただけだと糾弾する。
そこまで肉体を捨てた永遠の命に固執し…肉体を憎悪するのは何故だと…。
ごめん、この人の気持ちは感情移入したくないのであっさりいきます。
陽子が告白した後は…至福の千年王国とか何やら怪しい宗教家が口にするような事まで言い出してますし…。
で、最後は京極堂のシュ(漢字分からない)にやられて…というか要するにハッタリに負けて…逃げ出す。
■陽子
そんな美馬坂を懸命にかばう陽子は遂に、上でも書きましたが美馬坂が加菜子の父親である事…しかも自分が誘ったと告白するが…。
浅ましい行為とはこれだったんですね…。
「日に日に醜くなっていく母がたまらなく嫌だった…父のせいではないのに…父をなじり蔑む母…だから父を慰めてやろうとした」
なんかね…最悪です。
私は、この慰めを受け入れた父親が特に許せんが……。
この家族の全てが個人的には不愉快過ぎてしまう…。
言わずに済めばこの人の魍魎がもう少しで落ちた…と京極堂は言ってたが…これも、本当だろうか…少し同意出来ないん…だけどなぁ…。
最後は木場を刺す陽子……。
木場は刺されるよりもっと、自分が事件の引き金になってしまった件やら…本気で好意を寄せていってた陽子の過去と現在進行形の心の状態を知って心の方がはるかに痛かったはずだから…死にそうにないしこれは…刺されてよかった(ちょっと語弊があるかもしれませんが)んじゃないだろうかと私は思う…きっちり自分の手で手錠をかけて自分のヤマを完結させたし…。
まぁ簡単に心の傷は癒えないだろうが…。
■終焉
最後は屋上で久保の頭部が入った匣を持って逃げ出した美馬坂が…久保に食い殺され…。
その久保を陽子が殺して終焉を迎える…。
久保の頭部を何かに入れて花火にしたのは…意味不明(苦笑)
でも、まさに狂気にとり憑かれ久保が屍を喰らう魍魎の如き姿の最後を見せたのは…
ブラックユーモアにも感じる終わり方ではあるものの、ある意味非常に綺麗に上手くおさまった終わり方かな…。
■関口
8話で自ら単純作業に没頭し「憑き物を落としたかった、小さな魍魎を…」と語った関口ですが…。
京極堂は
「やはりキミの魍魎が一番大きいようだね」
と語ったように、最後までこの人の魍魎には惹きつけられました(苦笑)
彼の中に眠る魍魎は見事です。
もぅ途中…笑う話じゃないのに…関口の発言と表情におもわず爆笑してしまった(苦笑)
でもただ笑っただけじゃないんだけどね…
最後の関口さんの想像は…非常に深いシーンでした…。
ー荒涼とした大地を1人行く男(雨宮)ー
「降りてしまわれるのですね 残念だな せっかくどこまでも行けるのに」
列車を降り…名残惜しそうに見送る関口…。
降りる事ができて…そのまま、関口さんまで列車に乗って狂気の世界に行ってしまわないで本当によかったです…。
「それでも 私はなんだか酷く男が羨ましくなってしまった」
…………。
うん……。
それも少し、分からなくもないかな…というか…。
「幸せになる事は簡単なんだ 人をやめてしまえばいい」
という京極堂の言葉は…妙な説得力を感じるし、ある部分真理だろうとも思う…。
でも、それだけが幸せを得る唯一の方法ではないと信じたい気持ちもどこかに、あるから…まだなんとか生きていられるという所もあるんだけどね…。
そしてこの場面でもう1つ思ったのは、そんな考えを抱いて生きてる京極堂だからこそ…普通の謎解き役の人物像とは欠け離れているんだろうなぁとも思いました…。
榎さんは…又いつものように脳内が見えたから場を外して、あそこに向かったんのか…最初、うんざりしてきて勝手に帰るのかと思ったよ(苦笑)
■全てを見終えて
このアニメはやはり通常のアニメの楽しみ方とは異なっていたような気がします。
アバンの映像など「見て」楽しむ部分も、もちろんありましたし、作品全体に流れる独特の雰囲気も個人的には非常に好きでした。
でも、それ以上に耳で聞いた情報を、自分のない頭を必死に働かせて意味を掴む事に必死になったり、毎回伏線を見極めて展開を予想する事に集中し「予想する」事そのものをひたすら純粋に楽しんでいた気がします。
もちろん外れた箇所もありましたが、物語自体が簡単に先が読めるような薄っぺらなものではないからこそ楽しかった。
やはりこれは原作が凄いんでしょうね。
でも最後に多分、私の言いたい事を分かってくださる方もいる事を期待して書きますが…見終えた後の爽快感は皆無です(苦笑)
これは作品批判ではなくて…。
内容が色々重くてどっと精神的に疲れが出たというか……。
まぁ私が無駄に色々考え込む性質の人間だからというのもあるかもしれませんが(苦笑)
正直、大晦日に見たくはなかったかもしれない(笑)
まだ、消化しきれていない感じもあるんですが…とりあえずこれで終わりにします。
最後に最終回までかなり楽しませて頂いたこのアニメの制作に携わって下さった方々に感謝です。
そして、このブログのやたら毎回、長くなる感想を毎回読んで下さった方々、TBをしてくださったブログ仲間の方々に本当に感謝しています。
そして、このアニメはコメントをしてくださる率が非常に高かったアニメの1つで本当にありがたい事です。コメントを頂けると、書き続ける励みになりますのでコメントを下さった方々有り難うございました(笑)
では、またもしよければ別の作品でもよろしくお願いします。
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